林業~スイングヤーダによる間伐材生産システム

はじめに

 今、間伐材は採算性の悪化のため、林内に切り捨てられている。このような間伐材を搬出して有効に利用するためには、高性能林業機械を使用した間伐材生産量の増大と効率化が必要である。

 今回、列状間伐により伐倒、スイングヤーダ※により全木で集材し、プロセッサで造材する生産システム調査を行ったので報告する。

スイングヤーダとは、建設用ベースマシンに集材用ウィンチを搭載し、旋回可能なブームを装備する集材機のことです。

1.間伐材生産システムの内容

① 調査地概要
調査場所:海部郡海南町小川皆ノ瀬
樹種:スギ 林齢:42年生 施業箇所:約0.5ha
地況:南向き斜面

② 間伐(伐木)の方法
間伐方法:列状間伐(4残4伐ー列幅約8m.2残2伐-列幅約4m),本数間伐率約 50%、間伐木本数257本、平均胸高直径23.5cm、平均樹高16.6m

③ 生産に使用した機械と人員
集材用高性能機械-スイングヤーダ(油圧ショベル搭載型ミニタワーヤーダDW-25)
造材用高性能機械-プロセッサ(グラップルプロセッサ GPi-40A)

列状間伐とスイングヤーダによる集材作業状況
スイングヤーダとプロセッサによる作業状況

2.生産システムの結果と考察

 この調査で実施されたスイングヤーダとプロセッサの現場配置と材の流れを図-1で示す。

図1.高性能林業機械配置と材の流れ

 このように、スイングヤーダのウィンチにより集材された材は、アームをスイングして林道の路面に降ろされ、プロセッサがつかみ、旋回しながら枝払いを行い測尺・玉切り作業を行う。そして造材丸太は、再度プロセッサがつかみ、林道端に適宜椪積みされていく。

 ポイントは、スイングヤーダが移動するとともにアームをスイング (振る) して、路面に材を下ろしプロセッサへの受け渡しが円滑に行えることである。当然だが、平地での荷下ろし作業は安定していてとても効率的である。

 今回の間伐材生産システムの生産性について図-2でまとめる。

図2.スイングヤーダによる間伐材生産システムの生産性

 今回の調査結果により、間伐材の集材から造材までの生産性は20㎥/日、労働生産性は4㎥/人・日だった。しかし、この生産システムにおけるセット人員は、最終3人(スイングヤーダオペレータ1人+プロセッサオペレータ兼荷はずし者1人)まで合理化が可能と考えられる。この場合の労働生産性は6.6㎥/人・日となり、さらなる生産性の増大が期待できると推察される。

おわりに

 最後に、この生産システムを実施できる現場条件について考察すると

  1. ベースマシーンが入れる林道・作業道があること。
  2. ベースマシーンが旋回して作業ができる場所が必要であること。また、交通量の多い一般道での作業は、効率が悪い。
  3. 林道・作業道の進行方向に対して、山、谷側約50m程度(ウインチ巻き取り能力による)の範囲が集材可能である。但し、林道等の山側のり面が高い場合は、山側の集材作業は難しい。


 以上、3つの現場条件に該当する間伐対象森林が作業範囲と考えられる。そして、これらの条件に合う現場は、当然生産性が高い森林である。

 このように生産範囲は限られているが、この生産システムは路網整備が進められた地域で有効な生産方法と考えられる。

徳島県立農林水産総合技術センター 森林林業研究所 技術情報カード No.39(2002年7月)より
※徳島県立農林水産総合技術センター 森林林業研究所の了解を得て掲載しています。

 

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