近年の森林づくりは、広葉樹を植えることが良いこととされて、とかくスギ人工林が環境悪化を招いているという風潮です。
問い「環境のためにスギ人工林ではダメなのか?」
答え「いいえ、違います。
スギ人工林も間伐などをして、時間が立てば環境に良い森林へ誘導できます。」
ここでは、森林の発達段階という概念から今後の森林施業方法を考察します。
森林の発達段階とは、ある森林のタイプが時間とともに構造と機能が変化する様子です。
つぎに、現在存在するスギ人工林40年生の森林を、今後どのように誘導していくか?次の2パターンで考えてみました。
(1) スギ人工林を皆伐して、広葉樹を造林して育てる。
(2) スギ人工林を間伐・択伐して、長伐期施業を指向する。
環境に良い森林とは、森林の発達段階においてより老齢段階に近い森林です。スギ人工林40年生の若齢段階の森林が良くないと言って、皆伐して更新段階の森林へリセットしてしまうのは、40年という時間を無駄にしてしまうことです。皆伐して、これから広葉樹を植えても森林が成熟するまで長い時間が必要になってしまいますし、広葉樹施業は長伐期施業と比べ育林コストも過大です。
林業家のみなさん、環境のためにスギ人工林を育成してきたことをダメだと思わないでください。
スギ人工林を環境に役立つ成熟段階の森林へ誘導するのはこれからです。
今後、長伐期施業を指向し、スギ人工林40年生の森林を間伐して、短い時間で成熟段階の森林へ誘導しましょう。そのためにも、まずスギ人工林を間伐することで、林内を明るくし、自然に生える広葉樹などの低木層を発達させましょう。
徳島県立農林水産総合技術センター 森林林業研究所 技術情報カード No.29(2001年9月)より
※徳島県立農林水産総合技術センター 森林林業研究所の了解を得て掲載しています。
