夏暑い瀬戸内エリア向け高性能住宅モデルハウスを見学しました(プランサーバー、福山市)

冬寒い地域での高性能住宅はよくありますが、冬寒くて夏暑い瀬戸内エリアでの高性能住宅はまだ少なく、さらにいつでも体験できるモデルハウスとなると、ほとんどありません。

今回、広島県福山市のプランサーバーさんの実験体感型モデルQ1.0住宅を体験させて頂きました。

性能は、なんとQ値=0.83W/㎡・KC値=0.19cm2/㎡です。

Q値は熱損失係数で、日本で最高の省エネ基準である次世代省エネ基準(IV地域)によれば2.7以下であればOKですので、2を切っているだけでもすばらしいのですが、1を下回るケースはまれであり、だんとつに優れた高性能住宅であると言えます。
» Q値とは | » C値とは

さらに言えば、Q値は大きな家ほど下げやすいのですが、このモデルハウスは床面積100㎡ほどの小さな住宅で、その場合Q値1.5あたりから大きな壁が立ちはだかり、かなりの工夫をしなければなかなか下げることができません。プランサーバーでは1.付加断熱(スーパーウォール+グラスウール)、2.真空+Low-Eガラスで開口部を強化、というような工夫をして、Q値を下げることに成功しています。ちなみに半地下スペースはQ値計算にはカウントしておらず、半地下も面積にカウントする場合、Q値はさらに下がることになります。

またC値は、家の隙間風具合を実測した数値です(隙間相当面積)。次世代省エネ基準(IV地域)では5cm2/㎡以下であればOKとなっていますが、これをはるかに凌ぐ数値です。

※ 省エネ法改正により気密基準はなくなりました。平成22年度(2010年4月)

高性能住宅は、体験しないと良さがわからないものです。
プランサーバーさんのQ1.0住宅は、半地下から吹き抜けの2階天井までの温度差が1度以内ほどで、湿度も適度に保たれ、まさに「快適!」そのものでした。
このように文章で書いても伝わりにくいのが残念ですが、日本の寒い家しか知らない人間にとっては、感動するほどの体験でした。

C値0.19の証拠
(クリックで拡大)

壁はトステム・スーパーウォール工法に105mmの付加断熱を施した約200mmの壁厚。200mmの壁厚の住宅は瀬戸内エリアではほとんど存在しませんが、プランサーバーさんではさらにこだわり、気密施工後に気密測定を行い、わずかな隙間を探し出して気密処理を施しています。瀬戸内エリアにおいてはベストと言える気密・断熱施工をされた高性能住宅です。

***

早速、高性能住宅の心臓部である半地下に潜らせていただきました。
地下室にカウントされないギリギリの高さになっています。

モデルハウスの各所に温度変化を記録するロガーが設置してあります。
半地下にもありました。

そして、全館の温度・湿度を管理する心臓部。
決して特殊な機械を使っているわけではありません。

この地下の8畳用エアコン1台で、家全体の温度・湿度を調整しています。
(三菱電機製エアコンMSZ-ZXV281S-W [2.8 kW] [AFP 7.1])
エアコンはもっと小さいものでも十分効き、そのほうがさらに省エネになるとのこと。
特に送風パイプもありませんが、これだけで2階までほとんど同じ温度になっていました。

湿度調節はなんとタオルを水につけているだけ!です。
雑巾の枚数で湿度調整するそうです。

こういう発想もあったのですね。
加湿器は非常に電気代がかかるのがネックですから。

このドイツ製の熱交換換気システム経由で取り入れた外気をエアコンで暖めます。

第1種換気・第2種換気・第3種換気についての説明と、「24時間換気」という法律がいかに片手落ちか、という件。まったく同感です。

さらに地下には、蓄熱実験用にコンクリートブロックが大量に置かれていました。

2階に上がりましたが、温度差はまったく感じません。

モデルハウスに7~8人いたのですが、人間の熱で熱くなるので、3箇所の天窓を1~2箇所開けて温度調節していました。ちなみに2月上旬、冬の真っ只中です。

このモデルハウスは、高性能住宅の実験という意味あいが強いので、和室の天井はOSBあらわしです。

また、スリッパなしで過ごせる床にも注目です。
全館・床下も同じ温度なので、当然床も冷たくない=暖かく感じる、ということで、床暖房を入れていると思われる来場者も多いそうです。室内の温熱環境を整えれば、床が暖かいので床暖房は必要なくなります。(注:あくまで高性能な住宅の場合です。高性能でない住宅においては床暖房は大変快適です)

床暖房を入れる費用や、そのランニングコストを断熱・気密にまわせば、「暖房していることにすら気づかない暖房」という理想の暖房を手に入れることができます。

高性能住宅の良さは体験しなければわからないもの。
住宅を建てるなら、高性能住宅を体験してから建てないと後悔すると思います。

» プランサーバー(広島県福山市)

高性能住宅を確実に実現するHCパネル

 

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2012年 3月7日 水曜日  |   関連タグ: , , ,
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