耐力壁のくぎ打ち間隔を狭めることの弊害
くぎ打ち間隔は、耐力壁の性能に大きな影響を及ぼします。
一般的にくぎ打ち間隔が小さくなると、剛性、耐力が向上し、壁倍率も高くなる可能性があります。
耐力壁には、その性能に見合った柱脚・柱頭金物を設置する必要がありますが、自主的にくぎ間隔を変更した場合、どのように性能が変化するかがわからず、設置すべき金物もわからないという状況になります。
また、たとえばくぎ間隔が75mmの仕様を自主的に50mmとした場合、破壊性状が大きく変わる可能性があります。75mm間隔では、くぎのパンチアウトやせん断降伏が生じますが、50mm間隔の場合はそういった状況が生じる前に軸材や枠材の割裂が生じる可能性が高くなります。破壊性状が変化することは、耐力壁の性能が変化することを意味します。
くぎ間隔は、告示仕様、大臣認定仕様にかかわらず、仕様に示されている寸法として下さい。「間隔を○以下とする。」との記述は、施工誤差を安全側で抑えるための設定と考えましょう。
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