» 『平成21年度林野庁補助事業 2X4住宅部材の開発事業「地域材(徳島杉)を利用したツーバイフォー部材開発」「地域材(徳島杉)を利用したツーバイフォー部材としての合板代替品の開発」
事業成果報告書 ~ 全国木材協同組合連合会/大利木材株式会社(2011-2-28)』 より
杉構造用横剥ぎ板
用いた杉構造用横剥ぎ板の仕様は次の通りである。
①素材 | 杉JAS枠組壁工法甲種2級 乾燥材 (AD+KD 平均含水率 13.2%) ラミナ寸法 30X130本実加工 |
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②接着剤 | 水性高分子-イソシアネート系 木材接着剤 KR-7800FR (光洋産業株式会社製) |
③製品寸法 | 910mm X 1820mm 厚み30mm 本実付き |
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杉構造用横剥ぎ板 | 本実加工 |
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試験体は同じものを3体製作した。
梁は米松の105X180を使用し、プレカット機で仕口加工した。
それぞれの縦方向の梁は、羽子板ボルトを付け、一度きつく締めてその後緩め、最後は手でまわして軽く締めた。
面材は本実を入れ、固定にはCN-75釘を使用し、外周部150ピッチ、中間部200ピッチで釘打ちした。
【試験体仕様】
【試験体写真】
面内せん断試験は、タイロッドありとし、繰り返し数は3とした。
試験体を縦にし、下部を面内せん断試験装置の台に4箇所ボルト固定し、上部片側の梁にジャッキ装置を取付け、左右交互に力をかける。揺幅を徐々に大きくし、かかる力とパネルの変位をデータ取りした。
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【試験前】 |
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【試験後】 |
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杉横剥ぎ板床組・面内せん断試験 床倍率計算結果(サネあり) 30mm 3X6 【単位 : kN】
1 | 2 | 3 | 平均値 | ばらつき係数 | 平均値× ばらつき係数 |
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①Py | (kN) | 10.86 | 10.68 | 11.54 | 11.03 | 0.981 | 10.81 |
②Pu×(0.2/Ds) | (kN) | 12.41 | 12.33 | 13.44 | 12.73 | 0.977 | 12.44 |
③Pmax×2/3 | (kN) | 14 | 14.15 | 14.28 | 14.14 | 0.995 | 14.08 |
④1/150rad時の荷重 | (kN) | 11.09 | 11 | 12.12 | 11.4 | 0.974 | 11.11 |
短期基準せん断耐力 | (kN) | ①~④の(平均値×ばらつき係数)の最小値 | 10.81 | ||||
床倍率 | 短期基準せん断力×(1/1.96)×(1/1.82) | 3.03 |
試験の結果、床倍率3.0を得た事や、大変形1/15radでも、荷重の低下は認められなかった事で、強度は十分にあることがわかった。
見た目も美しく、化粧用としても併用できるレベルであると思われる。
ただ、合板の代替品としては、製造コストに問題があるところが課題である。