地域材(徳島杉)を利用した2x4部材開発 [3] 2x4部材強度試験

» 『平成21年度林野庁補助事業 2X4住宅部材の開発事業「地域材(徳島杉)を利用したツーバイフォー部材開発」「地域材(徳島杉)を利用したツーバイフォー部材としての合板代替品の開発」
事業成果報告書 ~ 全国木材協同組合連合会/大利木材株式会社(2011-2-28)』 より

それぞれの試験は、「2007年 枠組壁工法建築物構造計算指針」に定められる試験方法に沿って行った。

3.1 試験体数

断面 動ヤング 曲げ 引張り 圧縮 めり込み せん断 合計
2X4 30 30 30 30 60 64
2X6 30 30 30 30
2X8 30 30 30 30
2X10 30 30 30 30
2X12 30 30 0 30
合計 150 150 120 150 60 64 544

3.2.1 動的ヤング係数測定

幅、厚さをキャリパーで、質量を台秤で、長さをコンベックスで、基本振動周波数を小野測器製ポータブルサウンドアナライザーで測定し、縦振動法による動的ヤング係数を求めた。

断面 2x4
項目 トップ 5 ボトム 5 平均値
検体No. 26 3 8 5 30 26 14 16 13 6
tonf/cm2 101.56 93.28 90.16 87.12 87.05 39.14 39.4 40.92 45.95 48.03 6.11
N/mm2 9.95 9.14 8.84 8.54 8.53 3.84 3.86 4.01 4.5 4.71
断面 2x6
項目 トップ 5 ボトム 5 平均値
検体No. 6 25 29 20 9 30 12 23 16 15
tonf/cm2 90.91 88.06 81.36 80.25 78.82 43.67 46.92 48.37 48.8 50.32 6.31
N/mm2 8.91 8.63 7.97 7.86 7.72 4.28 4.6 4.74 4.78 4.93
断面 2x8
項目 トップ 5 ボトム 5 平均値
検体No. 27 29 7 18 28 10 17 20 25 15
tonf/cm2 140.86 112.67 74.09 74.24 75.71 56.16 59.3 74.09 74.24 75.71 8.61
N/mm2 13.8 11.04 7.26 7.28 7.42 5.5 5.81 7.26 7.28 7.42
断面 2x10
項目 トップ 5 ボトム 5 平均値
検体No. 23 25 5 7 21 24 9 19 8 4
tonf/cm2 98.32 87.79 86.02 85.19 84.68 43.71 45.55 48.19 48.73 51.45 6.6
N/mm2 9.64 8.6 8.43 8.35 8.3 4.28 4.46 4.72 4.78 5.04
断面 2x12
項目 トップ 5 ボトム 5 平均値
検体No. 26 22 11 4 17 29 7 25 3 15
tonf/cm2 99.83 97.25 95.44 89.37 80.41 32.54 53.36 55.13 56.03 58.48 6.83
N/mm2 9.78 9.53 9.35 8.76 7.88 3.19 5.23 5.4 5.49 5.73

「枠組壁工法構造計算指針」による、SPF材の基準値が9.60N/mm2であるので、それに比べると30%位低い値になった。

3.2.2 曲げ試験

曲げ試験時のスパンは下の表の通りである。クロスヘッド速度は、10~20mm/分で、試験時間3分を目標にした。
曲げ強度、全スパンの曲げヤング係数、モーメント一定区間の曲げヤング係数を求めた。

    b h L1 L2 L3 余長 材長 L1/h 試験体数 ヨーク長
    (mm) (mm) (mm) (mm) (mm) (mm) (mm)     (mm)
1 2X4 38 89 450 450 450 200 1,550 5 30 200
2 2X6 38 140 700 700 700 200 2,300 5 30 400
3 2X8 38 184 920 920 920 200 2,960 5 30 600
4 2X10 38 235 1,200 1,200 1,200 200 3,800 5 30 800
5 2X12 38 286 1,450 1,000 1,450 200 4,100 5 30 600
合計 150  

※L1/L3:せん断スパン   L2:荷重点間距離


2X4 見かけ
MOR
MOE
(全スパン)
MOE
(ヨーク長)
補正
MOR
含水率計
含水率
(N/mm2) (kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2) (%)
試験体数 30 30 30 30 30
最小 17.6 3.41 3.35 15.6 9
平均 35.3 5.21 6.07 34.1 11.9
最大 58.5 8.39 10.61 53.6 15
標準偏差 10.2 1.34 1.92 9.6 1.9
変動係数 29.00% 25.60% 31.70% 28.20% 16.00%
危険率5%下限値 18.4     18.3  
2X6 見かけ
MOR
MOE
(全スパン)
MOE
(ヨーク長)
補正
MOR
含水率計
含水率
(N/mm2) (kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2) (%)
試験体数 30 30 30 30 30
最小 22.7 4.8 5.33 17.9 8
平均 38 6.67 7.46 37.3 12.1
最大 52.7 10.2 10.98 52.6 15.5
標準偏差 8.3 1.32 1.5 8.3 1.6
変動係数 21.90% 19.70% 20.10% 22.30% 13.30%
危険率5%下限値 24.3     23.6  
2X8 見かけ
MOR
MOE
(全スパン)
MOE
(ヨーク長)
補正
MOR
含水率計
含水率
(N/mm2) (kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2) (%)
試験体数 30 30 30 30 30
最小 23.5 6.11 6.04 23.5 9
平均 43.9 8.87 10.15 42.6 13.1
最大 60.8 12.61 13.85 60.8 17.5
標準偏差 9.4 1.38 1.66 10 2
変動係数 21.40% 15.60% 16.40% 23.60% 15.30%
危険率5%下限値 28.4     26.1  
2X10 見かけ
MOR
MOE
(全スパン)
MOE
(ヨーク長)
補正
MOR
含水率計
含水率
(N/mm2) (kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2) (%)
試験体数 30 30 30 30 30
最小 17.6 4.35 4.75 17.6 8
平均 33.6 6.62 7.66 33.2 11.4
最大 43.8 10.09 11.98 43.8 14.5
標準偏差 6.9 1.21 1.56 7.1 1.9
変動係数 20.40% 18.20% 20.30% 21.30% 16.40%
危険率5%下限値 22.3     21.6  
2X12 見かけ
MOR
MOE
(全スパン)
MOE
(ヨーク長)
補正
MOR
含水率計
含水率
(N/mm2) (kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2) (%)
試験体数 30 30 30 30 30
最小 16.6 4.87 5.99 16.6 9.5
平均 33.4 6.81 8.56 33.4 11.8
最大 45.4 11.3 12.04 45.4 22.5
標準偏差 6.8 1.38 1.66 6.8 2.6
変動係数 20.40% 20.30% 19.40% 20.40% 22.10%
危険率5%下限値 22.2     22.2  

「枠組壁工法構造計算指針」による、SPF材の基準値が21.6N/mm2であるので、杉試験体の数値は、ほぼ同等以上になった。
2X4材の値が低く出たのは、木取り上、材芯部に近いと言うことが原因ではないかと思われる。
また、2X8材の値が高く出たのは、単に丸太自体の品質や目あいによるものと思われる。

3.2.3 引張り試験

引張り試験機において、チャック間1800mmにおいて、試験時間1分以上で引張り試験を行い、引張り強度を求めた。

引張り試験結果 【引張り強度 N/mm2(単位)】 * SPF 11.4 N/mm2 (JAS 甲種 2級)

 

2X4 2X6 2X8 2X10
最小 15.51 16.23 16.23 13.45
平均 24.05 27.53 27.53 21.81
最大 39.71 40.78 40.78 35.82
標準偏差 6 6.75 6.75 5.42
変動係数 24.90% 24.50% 24.50% 24.80%
危険率5%下限値 14.18 16.42 16.42 12.9

3.2.4 圧縮試験

2X4から2X10材それぞれの長さを200mm、300mm、400mm、500mm、600mmとし、 圧縮試験機において、最大荷重まで1分以上で載荷し、圧縮強度を求めた。

圧縮試験結果 【圧縮強度 N/mm2(単位)】 * SPF 17.4 N/mm2 (JAS 甲種 2級)

  2X4 2X6 2X8 2X10 2X12
最小 25.24 23.53 24.15 18.25 23.81
平均 30.1 27.57 32.59 24.27 26.79
最大 37.87 31.26 45.02 32.36 30.61
標準偏差 4.4 2.18 5.3 4.44 1.45
変動係数 14.60% 7.90% 16.20% 18.30% 5.40%
危険率5%下限値 22.87 23.98 23.88 16.96 24.4

3.2.5 めり込み試験

38mmX38mmX長さ114mmの試験体を60体作成し、板目面荷重30体、柾目面荷重30体で材料試験機で試験を行った。試験体の収縮量が加力方向の辺長の5%に達したときの荷重をめり込み荷重とした。また、比例限度を求めた。加力面積は38mmX38mmとした。

めり込み試験結果 【N/mm2(単位)】

「板目」 めり込み強さ 比例限応力
試験体数 30 30
最小 3.59 2.05
平均 5.44 3.44
最大 8.21 5.24
標準偏差 1.17 0.86
変動係数 21.60% 25.10%
危険率5%下限値 3.5 2
「柾目」 めり込み強さ 比例限応力
試験体数 30 30
最小 3.66 2.24
平均 5.49 3.69
最大 8.54 6.35
標準偏差 1.41 1
変動係数 25.70% 27.20%
危険率5%下限値 3.2 2

3.2.6 せん断試験

せん断面 20mmX38mmのイス型試験体を、せん断面が板目面となるもの32体、柾目面となるもの32体を試験に供した。
材料試験機で、試験時間が1分以上となるように加力し、最大荷重からせん断強度を求めた。
なお、せん断強度は、最大荷重÷断面積X (1/2) とした。

せん断強度試験結果 【N/mm2(単位)】 * SPF 1.8 N/mm2 (JAS 甲種2級)

板目 柾目
最小 2.79 4.27
平均 5.21 6.38
最大 7.22 9.09
標準偏差 1.11 1.18
変動係数 21.20% 18.40%
危険率5%下限値 3.39 4.45

3.3 試験の成果と商品化に向けての課題

強度に関しては全体的にバラつきがかなりあったが、概ねSPF材の基準強度を満たしていた。
しかし、目視による選別では限界を感じるほど、予想しにくいものがあった。

製品に関しては、そりや曲がりなどが予想以上に少なく、乾燥もうまくいき、手ごたえを感じる部分もかなりあった。
商品化に向けての課題は、MSRシステムの導入が不可欠であると感じた。

コスト面においても課題があり、製材の合理化や乾燥の簡素化など、こちらでできる事は改善する余地があるが、それ以上に山手側の改革を進めなければ、コスト面で外国産材に対抗する事は不可能である。

» [4] 2×4部材としての合板代替品の強度試験« [2] 試験体製造過程

 

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