徳島杉の足場板について
2011-3-30Tags: , このエントリをはてなブックマークに追加

昭和40年代ごろまで、徳島杉は足場板として主に関西方面に供給されてきましたが、しだいに合板やスチール等に置き換えられて行った経緯があります。

徳島県林業総合技術センターではこれらのシェア奪還のためにAQ認証取得に向けて取組み、指定の工場からの足場板についてはAQ認定の取得に成功しています。AQ取得以前の記事を見つけたので紹介いたします。

徳島すぎ足場板の品質管理

‐AQ認証取得に向けた取り組み-

1.はじめに

 徳島すぎ足場板は関西で7割のシェアを占め、主に高速道路の補修の際に吊り足場として用いられています。もともと足場板は杉板が使われていましたが、昭和40年代頃から合板やスチール等にシェアを奪われてきました。

 本県足場板業界は、昭和57年頃に木口の割れ止め防止用波釘を考案し、その品質と価格の手頃さ、合板等と比べ軽くて作業性に優れることなどから需要を大きく伸ばしました。一方、いわゆる杉の中目材は、丸太材積の6割を占めており、生産者(林家)にとってその利用を図ることが大きな課題となっていることから、足場板は中目材の需要先として大いに期待されています。最近では各産地間の競争も激しくなっており、新たな販路開拓が必要となりました。

2.足場板の関東進出

 こうしたなか、徳島県では10数年前から足場板の関東への販路拡大を計画してきました。しかしながら関東ではスギ足場板について日本農林規格(以下JAS)がないなどの理由であまり使用されないという状況でした。そこで関東の建設業界との意見交換等の接触を図る一方で、徳島大学の協力のもと徳島県林業総合技術センターにおいて足場板の強度試験を行い、データを蓄積してきました。

 その結果、平成6年2月にはそれまでの強度試験データをとりまとめ、「徳島スギ足場板の安全基準」を作成することができました。

 平成11年1月、県下3地区の製材グループが「協同組合連合会徳島サンライフ21」を組織し、関東に向けて本格的に足場板を販売する体制を整えました。さらにこれまでの本県の取り組みが評価されたこともあり、平成12年4月には財団法人日本住宅・木材技術センター(以下(財)住・木センター)のAQ認証制度に「足場板」が新たに設けられるに及びました。

3.AQ認証の取得


図1.AQ事業の仕組み

 AQには、“Approved Quality”(品質認証)の略です。ユーザーが安心して利用できるようにその品質・性能を客観的に評価し、優れた製品の証としてAQマークの表示が認められます。

 もともと昭和49年から農林水産大臣の行う制度として運営されてきましたが、昭和63年度から(財)日本住宅・木材技術センターの事業として移行されています。新しい木質建材が次々に開発されたことからJASだけでは対応できずAQ制度が登場したのです。足場板以外にはプレカット部材や防腐・防蟻処理材などがあります。

 AQ制度の仕組みは図-1のとおりです。企業等から申請のあった製品は(財)日本住宅・木材技術センターの品質・性能試験等を行い、判定基準に適合し、製造工場での生産状況などから品質が安定することが見込まれると認められた製品が認証されます。

 また認証申請調査事務機関、指定試験機関には社団法人全国木材組合連合会が委託されています。このうち曲げ試験については徳島県林業総合技術センターが指定試験機関に認定されています。

4.厳しい品質管理体制

AQ製品は認証後も定期的に自主的に品質性能検査を行うことが義務づけられています。各工場には選別技術者が配置され、品質管理規定により、「製品の検査日報」などの品質管理データを保管することとなっています。AQにおける足場板の基準を表ー1に示します。また、3ヶ月に1回、徳島県林業総合技術センターにおいて写真ー1のような曲げ試験を行うことになります。さらに指定試験機関の定期的な工場調査も行われます。

●表ー1 AQにおける足場板の基準
試験区分 判定基準
欠点測定
広い材面で40%以下であること
集中筋 広い材面で60%以下であること
流れ節 広い材面で50%以下であること
丸身 20%以下であること
曲げ試験 曲げ強さが255kgf/cm2以上であること。
寸法測定 (単位:㎜)

区分 標準寸法 許容差
厚さ 35,38 ±1
200,240 ±3
長さ 4000,3000,2000 ±5

おわりに

 強度試験などの検査が順調に進めば、平成12年10月には足場板としては第1号のAQ認証となる見込みです。AQ認証をきっかけに、建築・土木工事に、徳島すぎがますます使われるようになることを願ってやみません。

Write a comment